植物だから大丈夫ってことはない~それぞれ特性があります~

「植物エキス配合」とか「天然成分だけで作りました」という表示を多く見るようになりました。果たしてどこまで効果を期待できるものか・・・本来の肌の特性とか体調とか考えると合わない素材があれば、肌や頭皮に異常を感じてしまうものです。

目次
1化粧品は基準をクリアしている
2植物の特性って?
3バランスがとれていること

1化粧品は基準をクリアしている

シャンプーやコンディショナーを販売できるように製造すると、すべて天然成分で作るというのは不可能だと思っています。なにもかも手作りであれば可能かといえばそれも違うように思います。石鹸を作る時だって苛性ソーダを使います。これ劇薬ですよね。化学の力を借りなければ化粧品はできません。
中和されたものかどうか、あるいは化学反応によって乳化させたりして粘性を持たせたりして乳液やクリームができます。

販売できる商品は植物エキスなどは1%程度しか入れることが出来ません。
厚労省のサイトには化粧品基準というのが掲載されています。指定された成分の配合量の上限が厳しく定められています。これは多くの人が安全に使用できるためのものです。そして配合された成分はすべて表示する義務があります。成分の中で多いものから順番に表示しなければなりません。ただし1%未満であればその順番の書き方は決まっていません。そして香料に関しては香料とだけ表示すればいいのです。

自分で手作りすれば、その配合量も基準を上回っても自分で使うだけですから問題はありませんが、「販売」となると厚労省に届け出が必要になり基準をクリアしていなければ承認が降りません。基本的に安全である事、そして未開封なら3年品質を保持できることなど細かい基準をクリアして私たちが購入できる商品として登場するわけです。

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2植物の特性って?

植物にはエッセンシャルオイルを作るものがあれば、単体で薬草として使われてきたもの、そして乾燥させて調合することで体の不調を治してきた漢方などその特性と合成することで様々な効果を持っています。
現代ではその組成も分析できるようになり、なぜ病気を治したり怪我などを治したりできるのかの理由も明らかになっています。同様に毒を放出するもの、単体で毒性の高いものもあります。いわゆる麻薬も植物からの産物です。そもそも麻薬といわれているものは、麻酔効果があったため外傷手術や鎮痛剤として使用されてきました。西洋医学ではありえない麻酔術しかなかった時代に東洋あるいは中東の医学では手術の際利用していたのです。
人々の経験則と知恵の結果ともいえます。洋の東西を問わず、医療に使われる薬草類はその効果を確かめながら進歩してきたのではないかと思います。

そして大事な事ですが、なんでも混ぜればいいわけではなくやはり植物の特性を生かし最大限の効果を得ることが大事です。エッセンシャルオイルのレシピもアロマテラピストの処方によって効果のあるなしに差があるのではないかと思いますが、昔からの処方には治癒してきたという検証が伴っていますので、一般的には効果があると思います。効果に個人差が発生してしまうのは、肌の状態によって回復力を上げるより痛めてしまうこともあるため細やかな対応が必要だと思います。

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3バランスがとれている事

うちのレシピは、その状態によって変えてきました。また精油には相性があり効果を上げる組み合わせと、相殺してしまう組み合わせがあるということもあります。また、その肌の状態や体調などによって炎症を起こす場合もなりますので、単純に「これがいいよ」というものを信じて利用するとひどい目に遭うこともあるので注意が必要です。

母は少しでも頭皮環境を改善できるようにと考えて、髪に良い成分、そして育毛効果、傷みを起こさない、頭皮健康のバランスを取ることでフケや痒みがなくなるようにと、色々調合していました。そして実際に使ってみて検証を重ねてきました。我が家で言えば、父をはじめ私も弟もそして母自身も実験対象だったのではないかと思います。(笑)

そんな中で我が家では絶対に使えない素材がありました。
柑橘系のエキスです。エッセンシャルオイルでマッサージオイルを作ったり、入浴剤を作ったりしました。香りが素晴らしいので使いたくなりますね。ところが、柑橘系のエッセンシャルオイルと重層を使った入浴剤を使た時なんと母以外は肌がヒリヒリして大変なことになりました。

植物だからとか天然成分だから大丈夫ということは無い。

ということです。ひとりひとりの肌に合うものと合わないものがある。
「植物は安全」という認識もいけません。植物は太古の時代からなぜ生き残ってきたのか。それは生き残るために自ら毒性を持ったり、昆虫を避けるように臭いを発したりそれ自体が毒を持つものも少なくありません。植物の持つ存在の歴史や食の歴史などを調べると使ってはいけないものや昔から化粧品として使われていたものがわかります。植物の性質を知る事で使っても比較的安全といえる成分を使うこと、長い歴史の中で人の食べるものや化粧品として使われ続けたハーブを使うことで効果を期待できると思います。

安全である製品かどうかというのは、人によって異なる基準を持ちます。皮膚の強い人は当然その範囲が広く、弱い人は狭くなります。すべての人に安全という基準は一応法律で決められていますので、世の中に出回っている製品のほとんどは安全性を認められているわけですが、合うか合わないかについてはどうしても個人差が出てしまいます。
日常的に使うものだから、自分の合う製品を使う。そして自然治癒力を上げる製品を使う。そうすることで、頭皮だけでなく自身の老化を緩和できると思っています。

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